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きりう
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【感想】三陸海岸大津波 吉村昭

三陸地方は明治29年と昭和8年にも津波による大きな被害を受けた。
本書は、著者がかの地で資料を集め、体験談を聞いてまとめたものある。
そして、今回の震災後、売上急増中だそうだ。

もちろんわたくしもその売上に協力した一人、なわけだが、初版は1970年頃とか?カエル
まさか、40年もの時を経てこれほど脚光を浴びようとは、著者も思わなかったかもしれない。

地図 地図 地図 地図 地図


明治・昭和の津波に対して、その被害防止のために町の人々が取った姿勢は、防潮堤の建設や避難訓練の徹底であった。

今回の被災地に縁のある複数の方とお話しする機会があったのだが、これらは従前、視察・見学に訪れた多くの者に「津波対策はこうでなくちゃ」と言わしめたものだそうである。

本書の終盤にもそのことは記述されているのだが・・・

 しかし、自然は、人間の想像をはるかに超えた姿をみせる。
 防波堤を例にあげれば、田老町の壮大な防波堤は、高さが海面より10.65メートルある。が、明治29年、昭和8年の大津波は、10メートル以上の波高を記録した場所が多い。
 私は、田野畑村羅賀の高所に建つ中村丹蔵氏の家の庭先に立った折のことを忘れられない。海面は、はるか下方にあった。その家が明治29年の大津波の折に被害を受けたことを考えると、海面が50メートル近くも這い上がってきたことになる。
 そのような大津波が押し寄せれば、海水は高さ10メートルほどの防波堤を越すことはまちがいない。
 しかし、その場合でも、頑丈な堤防は津波の力を損耗させることはたしかだ。それだけでも、被害はかなり軽減されるに違いない。


最後のセンテンスだけ、今回の津波は著者の予想をも上回ってしまったのですね。
なんともはや・・・言葉になりません。


| 投稿者 きりう 22:14 | コメント(0)| トラックバック(0)
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