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口ほどにもない奴 ANNEX 【おことわり】管理人が不適当と思うコメントやトラックバックは予告なく削除します。ご了承ください。

きりう
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記念日

ここ数日。
意思疎通とはなんと難しいことかと感じている。
公私ともども、ね。

もともと「生きてるだけで丸儲け」なわたくしだ。
本当は、こんな贅沢を言えるようになっただけでも感謝せねばなるまい。

実は、一昨日の試合の日は、アノ手術から丸5年だった。

これで医学上は「完治」。
一応、記念日だったんですかね。
もはや誰も気に留めず、何のイベントもなく、本人も忘れるくらいあっさり通過。
そのくらい、わたくしの腎臓癌はもう「過去」なんだなあ。

思えば遠くへきたもんだ。(ちょっとニュアンス違う?)



さあて、と。
残りの人生、どうやって楽しもうかしら。
みなさま、今後ともお付き合いよろしくです。
腎細胞癌 | 投稿者 きりう 23:05 | コメント(4)| トラックバック(0)

主治医変更

今日は先週金曜の検査を受けての診察。

いつものとおり・・・と思ったら、チト様子が違う。ん?
担当医の名前が違うのである。
確かに、半年前の診察の際にW先生からこんな話を聞いてはいた。

来年4月から非常勤になるんですよ。
実家の医院をやらなきゃいけなくなったんで。
父も高齢でしてね。


ご実家は四国だそうで、週に1回だけこっちの東京に診察に来るんだという話だった。
マジかよ、すげーなー、と思ってたんだが、結局は辞めちゃったんかね?
(週一とはいえ、四国と東京の往復は現実的でないよな、と思っていたワタシとしては納得なのだけど。)

で、そんなことも聞こうかなどうしようかなと思う暇もなく、診察順になった。

コンコンコン(←ノック) おはようございます。にっこり

ああ、きりうさん。
おはようございます。W先生から引き継ぎましたAです。
早速ですが、先週の検査結果から・・・


びっくり

すげー早口。

なんていうか、温厚な印象が強かったW先生と違い、このA先生はキレ者というか秀才タイプというか。

・・・というわけで再発・転移もなく問題ありません。

W先生は画像のプリントアウトを毎回くれたんだが、今回は画面で見ながらの説明で終わり。
くださいって言えばくれたのかもしれないんだけど、何かそういう雰囲気でもなくてね。どーしよー

まあ、結果はOKだからいっかー。

ちなみに、後で病院のWebサイト調べたら、A先生、東大医学部卒だって。
学歴で人を見ちゃいかんとは思うものの、この件は妙に納得したのでありました。


これだけ早口なら、患者数はさばけますね。
順番が早く来たのもそのせいかな。(笑)

ともあれ、4年半クリア!です。よかった!!ワハハ
腎細胞癌 | 投稿者 きりう 23:59 | コメント(2)| トラックバック(0)

4年半かあ・・・

術後、4年半である。
5年で完治なので、半年に1回の定期検診もあと2回。
本日は検査日なのであった。

採血、X線、CT。

被曝量の合計は6.2ミリシーベルト(テキトーな推定)。

シーベルトとかベクレルとか、ちょっと前まで謎の単位だったものが妙に身近になったなぁ。(笑)
あ、上記の数値はネットとかでわたしが調べてはじいた超あてずっぽうの数値ですので、念のため。

結果は来週水曜日。
またしてもちょっと落ち着かない日が続くのである。
なーんて、もう治っちゃってるって勝手に思ってるけどね。
腎細胞癌 | 投稿者 きりう 23:43 | コメント(0)| トラックバック(0)

4年めフォロー結果

あれから丸4年である。
すっかり慣れた手順で、先週の検査に基づく診察を受けてきた。
その結果・・・
CT結果2010秋

いろいろ書いてあるが、要するに、
「再発・転移はありません」(by 主治医)
ということのようだ。

ふぅ、今回は前回までほどには緊張しなかったが、やはり結果を聞くのはドキドキするね。
結果がこうじゃなかったら、いったいどうなっちまうんだろうか。
あやういバランスながら、とりあえずは結果オーライ、ということですかね。

さあ、週末。また試合三昧だ。
がんばるぞ。炎
腎細胞癌 | 投稿者 きりう 23:37 | コメント(2)| トラックバック(0)

4年め

術後4年のフォロー検査。
いつもどおり、メニューは採血、採尿、X線、CT。
今日はちょっと混んでる。

採血の結果が出るまでCT検査に移れないため、30分ほど待ち時間が発生した。
退屈じゃーーーーー叫び

ま、それでもスタートが早い分、昼前には出社できたのでいいんですけどね。

結果は1週間後。
楽しみなような不安なような・・・
腎細胞癌 | 投稿者 きりう 22:03 | コメント(0)| トラックバック(0)

やれやれふー

今日は先週の検査結果に基づく診察のため、冷たい雨の中を病院へ。
到着すると、意外に待合室が混んでいる。
雨なのに皆さん出足がいいようだ。

約40分待って、ようやく受診となった。
半年振りのW先生との再会。

検査結果

今回の検査結果は、
明らかな再発・転移を認めません
であった。にっこり

あーよかった。
毎度毎度同じなんだけど、張り詰めた糸が一気に緩む。
気が抜けるって、あまり良い表現じゃないかもしれないが、実際、そういう気分なのだ。

あれから3年半にもなるんですね。
5年まで行けば、年1回の検査でいいと思いますんでね。
このまま無理せずいきましょう、おだいじに。


…ということで、また半年後の予約をして終了。
ふぅ、完治まであと3回か。
がんばろ。
腎細胞癌 | 投稿者 きりう 21:46 | コメント(2)| トラックバック(0)

明日は検査

半年に一度のチェックである。
採尿・採血、X線撮影、CT撮影・・・
どーか、再発・転移ありませんように。

あー何だかあまり物を考えられないや。
ということで、今日のBlogはパス。(許してね。)
腎細胞癌 | 投稿者 きりう 21:49 | コメント(0)| トラックバック(0)

お元気。

今日は先週の検査に基づく診察の日。
例によってドキドキしながら、病院に着く。
予約時間5分前の受付である。完璧だ。

ところが…なかなかワタシの番にならない。
待ったね。いやぁ、待った。
後から来たおじいさんが先に呼ばれたりして。

告知の時も、確か待たされた。
それを思い出すものだから不安がよぎる。
ドキドキがどんどん高ぶってくる。
勘弁してよ、再発・転移じゃないよね。

で、待つこと30分弱。
診断の結果は・・・
CT結果報告

明らかな再発転移を認めません

よかった。スマイル
でもさ、これだったら「頼む、心臓に悪いから、早く呼んで」って感じ。
ほんと、ビビったよ。

術後3年ですね。
血液検査、尿検査とも異常なし、クレアチニンも改善してきてます。
レントゲンも異常ないです。


何かご自身で気がかりなこととかありますか、との問いに、特にないと返事をしたら、マイ主治医、PC上のカルテに次のように入力した。

術後3年。お元気。

前回くらいまでは、ワタシが覚えきれない程度にはいろいろな言葉でコメントを書いていたはずなのだが、今回はなんと9文字。
字数指定もあるまいに、ずいぶんとあっさりしたもんである。
もう手を抜いても良い程度になってきているということか。(と都合の良いように勝手な解釈。)

ともあれ、スッキリです。
後は口の中の糸だな。(笑)
腎細胞癌 | 投稿者 きりう 22:35 | コメント(0)| トラックバック(0)

あれから3年

今日は術後3年のフォロー検査。
メニューは、採血・採尿・X線・CT。
いつもどおりだ。

もはや手順から何からだいたいわかっている。
効率良く各セクションを回って…と思ったのだが、途中でトラブル発生。

X線の機材が不調らしい。
一旦入った放射線室から追い出され、着替え用の小部屋で待機するよう指示された。
この小部屋、着替えるためだけの空間で、通常は1,2分しか滞在しないような場所。
非常に狭くてサイズ的には1畳くらいか。
脱衣カゴとハンガー以外何もない。ついでにいうと窓もない。
そんな場所に10分も15分も閉じ込められるのはちょっとねえ。ぷんぷん

医療用のシステムのことはよくわからないけれど、どうやらPCを立ち上げ直して復旧させたようだ。
ワタシの見込みを20分ほど超過してようやく撮影終了。

おかげでCT撮影は少し待っちゃったかな。
それでも午後には会社に行けたんだから良しとしよう。

検査結果に基づく診察は1週間後。
それまで、また例によって何となく落ち着かない日々になる。悩んじゃう
まあ仕方ないんだけどね。

今回もどうか良い結果が出ますように。スター
腎細胞癌 | 投稿者 きりう 22:39 | コメント(0)| トラックバック(0)

異常なし

先週、術後2年半の検査があった。
今日はその検査結果に基づく診察の日。で・・・

明らかな再発・転移を認めません

あーよかった。にっこり
所見は以下のとおり。

腎細胞癌に対して左腎部分切除後。
局所に術後変化と考えられる変形が見られる。
局所再発を疑わせる腫瘤性構造は認められない。
右腎に異常なし。

肝内には前回同様に小嚢胞が散在している。
新たな肝内占拠性病変は認められない。
脾臓、膵臓、副腎、膀胱、前立腺に異常なし。
骨盤部に微量な腹水が見らるが、前回から著変無い。
有意なリンパ節腫大なし。
明らかな骨転移なし。


これでまた、半年間は安心である。
ふぅ、ストレッサーがひとつ減ったぞ。。。
腎細胞癌 | 投稿者 きりう 23:10 | コメント(2)| トラックバック(0)

そしてまたまた今回もひと安心

術後2年の検査結果。再発を疑わせるような腫瘤性病変は認めません.その他両腎には明らかな異常を認めません. 肝内に明らかな腫瘤性病変を認めません. 胆嚢、膵臓、脾臓、副腎、前立腺、膀胱には明らかな異常を認めません. 腹水及び有意なリンパ節腫大は認めません. 撮影範囲内の胸部に明らかな異常を認めません. 半年前の所見のコピペか!と思わず突っ込んでしまいそう。(笑) 何にせよ、経過は良好という診断であった。若干クレアチニンの値が高いのだが、問題ない範囲でしょう、とのこと。ありがたや。 で、前回のお話では、年1回の検査への移行もあるかも、ということだったが、次の検査はまた半年後と決まった。まあ、間隔があいてしまうとそれはそれで不安だし、半年サイクルくらいがちょうどいいのかもしれない。これでまた、半年間の安堵を確保。今日はよく眠れるかも。(^^;;;
腎細胞癌 | 投稿者 きりう 22:42 | コメント(0)| トラックバック(0)

明日は診察

ここのところ仕事が忙しく、帰宅がそれなりの時間になってしまっている。ちょっと疲れているかな。そんな中、明日は術後2年のフォローアップ診察。実は先週金曜がCT等の検査だったのでありまして。心身ともに疲れ気味の今、ヘンな所見が出たらどうかなっちゃいそう。(嘘) 半年に一度のドキドキタイム。どーか再発・転移がありませんように。寝よ。
腎細胞癌 | 投稿者 きりう 23:59 | コメント(0)| トラックバック(0)

そして今回もまたひと安心

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今日は、先週のCT検査に基づく診察。
検査結果は、次のようなものであった。

再発を疑わせるような腫瘤性病変は認めません.その他両腎には明らかな異常を認めません.
肝内に明らかな腫瘤性病変を認めません.
胆嚢、膵臓、脾臓、副腎、前立腺、膀胱には明らかな異常を認めません.
腹水及び有意なリンパ節腫大は認めません.
撮影範囲内の胸部に明らかな異常を認めません.


やったね。(^^)v

次はまた半年後の検査。
次回の2年目検査で問題なければ、それ以降は年1回の検査に移行する可能性もあるとのこと。
完治(=5年間の再発・転移なし)に向け、良さげである。(^^)(^^)(^^)

腎細胞癌 | 投稿者 きりう 11:44 | コメント(0)| トラックバック(0)

術後1年半

本日は半年に一度の検査である。
予約は9時20分。
小雨がぱらつく中、少し早めに家を出た。
ところが・・・

*****************

JR浜松町駅で人身事故、京浜東北線など一時ストップ (asahi.com)

 14日午前7時13分ごろ、東京都港区のJR浜松町駅ホームから男性が転落し、京浜東北線大宮発大船行き普通電車(10両編成)にはねられて死亡した。このため、同線の大宮―大船間と東海道線の東京―小田原間で約1時間運転を見合わせたほか、山手線と湘南新宿ラインにも遅れが出て約10万人に影響した。
 警視庁愛宕署によると、男性は60歳ぐらい。飛び込み自殺をしたとみられるという。
 また、京浜東北線は午前8時55分ごろにも、桜木町発南浦和行き普通電車が車両点検のため品川駅で約15分停車、1万8千人に影響した。


http://www.asahi.com/national/update/0414/TKY200804140003.html

*****************

この記事の「また」以降に書いてある停車した電車に乗っていたのである。(--;
検査のために朝食抜いているので空腹。
人間、腹減ってると怒りっぽくなるのよね。停車中、イライラしどおし。

結局、病院に到着したのは、9時25分。
5分遅刻なんて病院側にしてみれば珍しくもないのだろう、普通に検査を受けられた。
イライラしてもしょうがないね。もっと大らかにいなければ。(^^;

*****************

検査のほうは、例によって単純CTと造影剤を使用したCTである。
造影剤は、注入後、身体がかあっと熱くなる独特の感覚。
体外排出を促進するため、検査後には水分を多めにとるようにとのご指示も同じ。
すぐにミネラルウォーターを買ってゴクリと飲み干す。

今日の画像に基づく診察は来週月曜。
う~ん、また再発・転移がないかどうか、ドキドキの1週間である。


腎細胞癌 | 投稿者 きりう 21:36 | コメント(0)| トラックバック(0)

ひと安心

[関連したBlog]

今日は診察の日。
会社には午後からの出社ということにして、午前の予約時間に病院へ行った。

で、先週の検査結果。

CTの所見:明らかな再発・転移を認めません
X線の所見:明らかな肺転移は認められない

いやあ、よかった。
大丈夫だろうと信じてはいたが、いざ結果を聞かされる段になるとやはりドキドキした。
癌にとって一番怖いのは、再発・転移である。
それが「なかった」という診断は本当にホッとする。
血液検査の結果も概ね良好。
基準値オーバーと基準値不足の項目が1つずつあったが、無視してよい程度。
ありがたいことである。

次回のフォローアップ検査は、来年の4月中旬。
とりあえずあと半年は、このドキドキ感を味わわずに済む。
ふぅっとひと息。

4年後には完治となっていたいな、と思いつつ、仕事に戻った今日のきりうでした。

腎細胞癌 | 投稿者 きりう 22:57 | コメント(0)| トラックバック(0)

手術から1年

今日は腎細胞癌の部分切除手術から1年経過後の検診日。
休暇をいただいて、入院生活を送った病院を久しぶりに訪れた。
半年ほど前にも検査で来ているのだが、何となく懐かしい。

到着後、まずは血液検査から。
採血コーナーへ行ってみると、長蛇の列である。ちょっとびっくり。
でも、回転は速かった。整理番号札をもらって待っていると、10分ほどで自分の番になる。
さすが、手際がいい。機敏な動作で左腕から採血してもらう。

続いて、放射線科へ。CT検査である。
受付を済ませてしばし待つ。
待つのはもう慣れたもんだが、思いのほか早く順番が来た。
手術前後は何度も撮影したので、勝手知ったる…というつもりだったのだが、どういう手順だったか具体的なことは意外と忘れていた。
おとなしく指示に従って行動。無事、検査台の上に横たわる。
いざ、撮影開始。
 「息を吸って…とめてください…楽にしてください」 繰り返し。
ひとしきりこれをやると、次は造影剤を使った撮影だ。
採血を左腕からやったので、今度は右腕に注射してもらう。何だか病人気分。(^^;
チューブにつないで約1分間の注入。例によって、身体がかあっと熱くなる。
その状態で再び撮影。
 「息を吸って…とめてください…楽にしてください」 これまた繰り返し。そして終了。

次は、レントゲン。
意味合いとしては、骨の異常がないか、つまり骨髄への転移がないかという検査である。
これも、X線撮影室の前でしばし待ったが想定の範囲内の時間で自分の順番になった。
胸部の正面と側面を撮影。

以上で、検査は全て終了。
思ったより早く終わった。よしよし。

来週の月曜は、今日の検査結果を踏まえた診察である。
主治医のW先生と久々の再会だが、さて、その口からはどんな言葉が出るのか。
ちょっとドキドキの1週間である。
…って、ジタバタしてもどうにもならないので、普段どおり日々を過ごすしかないのだけど。

どうぞ、よい結果でありますように。


<おことわり>
ジャンル「腎細胞癌」を追加設定し、手術・入院時の記事を全て集約しました。


腎細胞癌 | 投稿者 きりう 19:53 | コメント(0)| トラックバック(0)

生きる意味・生きた証 ⑱ ~ 完結編 ~

アクセス数がちょっとずつながら増加傾向にある。
素直にうれしいわん。

----------------

ネット上の闘病記サイトには、癌で亡くなった人が書いて書籍として出版されたものの書評が結構載っている。
そういうものを眺めていたら、実際に読みたくなり、数冊まとめて買ってきては貪るように読んだ。
活字好きとしては自然な流れである。

あらゆる民間療法をさまよった元NHKアナウンサー、絵門ゆう子さん。
最期までクールな生き方を貫き続けたライター、奥山貴宏さん。
世界的なプロウインドサーファーとして活躍後にスポーツ実業家に転身、発病後は小説を書き上げた、飯島夏樹さん。
ITベンチャー企業の現役社長だった、藤田憲一さん。

余命に向き合う、真摯な態度。
残された時間にかける、熱い情熱

彼ら、彼女らは、間違いなく、この世に生きた。
そして、その足跡を残していった。
その力強さ、美しさは、何に例えたらよいのだろう。
とにかく、一人ひとりの生き様に、猛烈に感動した。

そして、思ったのだ。
たまたま早期発見だった自分は、まだまだ生かしてもらえるようだ。
ビジネスマンとしてもアマチュアテニスプレイヤーとしても平凡な自分だが、彼ら彼女らのように、この世に生きた足跡を残しておきたい。

入院・手術を通じて、それまで深く考えてこなかった自分自身の健康について、その大切さを大いに実感した。
それが故、今では、普通に働けることのありがたみを理解できるようになった。
働くことそれ自体が、この世に残せるものを生み出したり、より良い世の中へ変化させたりすることにつながる。
それが、人間として生きる意味であり、生きた証なのだろう。

そして、この世に生きた証を残すもう一つの方法。
それは、ネット社会の今、簡単に手に入る。

このBlogを通じて、日々の営みを著し、時に生きる意味を考え、そしてそれがネットに残ることで、一人の平凡な男が生きた証にしていくことができるのではないかと考えたのは、そんな経緯である。

人間は、一日に何百、何千という「考え」を思いつくという。
自分が思いついた、それらの「考え」をなるべく多く、世に発信していきたい。
そうして、きりうがこの世からいなくなった後でも、記録が残り、目にする者がいてくれたら。
世の中の誰かが、きりうの言い分を理解し、その行動に影響を与えることができたら。

そのようなことを夢想しながら、このシリーズは終わるのである。
夢想というより、妄想かな?

いやいや、いいんだって。
何しろこちとら所詮、「口ほどにもない奴」なんだし。

<完>


腎細胞癌 | 投稿者 きりう 23:44 | コメント(0)| トラックバック(0)

生きる意味・生きた証 ⑰ ~ 腎細胞癌のこと ~

今日は寒いですね。それに、夕方の雷雨!
明日、春が来たら ♪ とか歌ってる場合じゃなかったですかね。

---------------------

腎細胞癌のこと


癌の告知を受けたその日から、自らの病気についての情報を得るため、調べ始めた。

まずインターネット。
国立がんセンターなど、なんとなく権威のありそうな病院のサイトなどを見て、基礎知識を学ぶ。

続いて、闘病記の類。
闘病記のサイトって結構あるのだね。
腎細胞癌のもあって、思わずブックマーク

こういった闘病記のようなサイトをつくっている皆さんは、実によく勉強しておられる。
ノー天気で全く無知だった自分がちょっと恥ずかしくなった。

特に、「八色の腎ガン記録簿」というサイトは非常に勉強になった。
ああ、先生のあの言葉はこういう意味だったんだ、とか、あの検査の目的はこういうことだったのね、とかいった理解が一気に進んだのは、このサイトのおかげという部分が大きい。
遅ればせながら、この場を借りて<八色さん>にお礼を申し上げたい。

そうして、いろんな情報源から参考になりそうなものをひろって頭の中を整理した。

腎細胞癌は、胃がん、肺がん、女性の乳がんなどに比べると、非常にマイナーな存在である。
一説によると、10万人あたりの発生率は7人~10人くらいだとか。
他の癌の統計データを仔細に調べたわけではないが、どう見ても、あまりたくさんあるタイプの癌ではなさそうである。

腎細胞癌の治療は、外科手術による癌細胞の切除が主流。
抗がん剤はほとんど効果が期待できないとされる。
手術による癌細胞の摘出と並行して、インターフェロンなどによる免疫療法も一部で行われているらしい。
そういえば、入院中、隣ベッドのイビキマンがインターフェロンの投与を受けていたような。
退院するまで、正確な病名を聞かなかったので、別の癌かもしれないが。

転移の可能性が高いのは、肝臓、肺、骨。
腹部だけでなく胸部もCTで撮っていたのはこのためだったのだな。

きりうの場合、癌細胞とそれを覆う皮膜部分を外科手術で取り除いた「部分切除」だったが、少し昔の常識では、全摘出が基本だったとのこと。曰く、微細な癌細胞が正常に見える組織に潜んでいる可能性があり、再発の危険を残すと考えられていたからだそうな。
しかし、最近の研究で、部分切除と全摘出に再発における有意な差が認められないということで、部分切除を行うことが増えているそうである。ふーん。
そういえば、ちょうど、きりうが職場復帰した直後に世間で話題になっていた病気腎の移植というのは、全摘出をやって、癌の部分切除をやって、別人に移植したということなのかしらん?などと思ったり。

リスク因子は、喫煙と肥満。きりうの場合、これらにはどっちも無縁のはずなんだが。

発生しやすい家系があるといわれている、とくると、これはもう自分ではどうしようもないし。(^^;
一族郎党、腎細胞癌に罹ったという話は聞かないけど、どうなんだろうか??

癌組織を切除した後の治癒率などは、情報源によって多少ブレがあるものの、pT1レベルでは80%以上と見てよさそう。予断は許さないものの、これは明るいデータである。

早期ステージではまずほとんどの場合、自覚症状が出ることはないそうである。
進行すると、血尿、腹部腫瘤、疼痛、発熱、体重減少、貧血など。
もちろん、進行するほどに、治る確率は低くなる。
早期に見つけてもらって助かった、とここで実感。

人間ドックさまさま
超音波エコーの検査技師さまさま
40歳の定期健康診断を人間ドックに、という会社の健康管理施策さまさま


*******

1月に実施した3ヵ月後のフォロー検査(CT)でも、異常はみられなかった
もちろん、今もいたって元気である。
食事も運動も何ら制限はない。

ありがたや、我が人生、ではないか。



<つづく。次回、感動の(?)最終回。>


腎細胞癌 | 投稿者 きりう 22:52 | コメント(0)| トラックバック(0)

生きる意味・生きた証 ⑯ ~ 告知 ~

昨日の体調不良は、どうやら週明け特有の仕事への拒絶反応(?)だったようだ。(笑)
本日は元気に働いてまいりました、ハイ。

-----------------------

告知

2006年11月6日(月)。例によって、朝9時の診察予約である。
病理検査の結果により、ついに、「」の正体が明らかになるのだ。。。
すぐに順番が来て入室。W先生、入院中は大変お世話になり、ありがとうございました。で、結果は?

 W先生 「調べた結果ですが…やはりね、悪いモンでした。腎細胞癌です。」

 きりう 「え」 ∠( ゚д゚)/

今、何とおっしゃいました? やけにあっさり聞こえましたが。
あ、ですか。へー、あの「」ですか。日本人の死亡原因第一位の。はあ、なるほどなるほど・・・って、
エーーーーーーッ! (°◇°;)

 W先生 「でも、悪いトコは全部手術で取りきれていると思うので、まずは大丈夫だと思います。」
 W先生 「癌自体もね、本当に早期です。ココに“pT1a”って書いてあるでしょ。早期という意味です。」
 W先生 「質の方は"G2"中くらいの悪さですね。でも、全部取りきれていると思うから大丈夫なはず。うんうん。」
 W先生 「ただ、癌は、取っただけでは完治じゃない5年間再発しなくて初めて治ったということになります。」
 W先生 「ですから、今後も定期的な検査でフォローしていくことになります。まずは3ヶ月後ですね。」

こうして、きりうは癌患者となったのである。

***********

最初この病院に来たときの問診票(?)に、「癌が見つかったら告知を希望するか?」というような質問項目があった。
まさかそんなことはあるまいと思って(「悪いもんじゃあなさそうだねえ」 by人間ドックの先生)、イエスにマルをつけたのだが、本当に告知されちまったぜ。あわわ。
まあ昔と違って、昨今は本人に告知すること自体、珍しくもなんともないらしいけどね。

正直、この告知がなされるまで、「実は、良性でした。脂肪のカタマリでした。」ってな答えをずっと期待していた。
だからであろうか、癌に関する情報に触れるのは、退院後もずっと避けていたのである。

だが、その期待は裏切られた。現実を直視する必要がある。
W先生は、「手術で取りきれていると思う」とおっしゃっていた。
決して良い事態ではないかもしれないが、最悪ではないだろう

とにかく、癌、特に腎細胞癌について知っていることが少なすぎた。

もっと、相手のことを知らねばならない。
いろいろと調べ始めたのは、この日からである。

<つづく>

腎細胞癌 | 投稿者 きりう 21:06 | コメント(0)| トラックバック(0)

生きる意味・生きた証 ⑮ ~ 退院 ~

朝からまたビミョーに調子が悪い。
昨日、体調復活とか言って調子に乗ってテニススクールの体験レッスンまで行ったがいけなかったのか、はたまた、また仕事かと身体が拒否反応を示しているだけか。

前途多難の新年度。

---------------------

退院

2006年10月23日(月)。退院である。
まだ、脇腹が痛くて長時間の歩行はしんどいが、それ以外はあまり問題ない。
日常生活に戻っても大丈夫ということなのだろう。

退院後も数日は自宅で療養させてもらえるような休暇計画になっている。
上司、同僚、部下には迷惑をかけているに違いないが、ありがたいことである。

当日は、相方がお義母さんと一緒に、車で迎えにきてくれた。
小雨模様でもあったので、助かった。

同室の皆さんにご挨拶。
看護士Iさんにも。お世話になりました。

退院手続の窓口は、結構混んでいた。しばし順番待ち
立って待っているのはキツいなあ、と思ったが、順番待ち用のイスが割とたくさんあり、何とか座れた。ホッ。

番号を呼ばれて、精算とお支払い。11日間の入院費用は、219,090円
想像よりちょっとだけ安かったが、それでも大金である。
ちゃんと保険で取り返さねば、などと考える。手術では貧乏根性は取り除かれなかった模様。

領収書と次回の予約票が渡された。
次の来院は11月6日(月)朝9時
手術で採取した細胞の病理検査の結果は、このときに教えてもらえるはずだ。
そのときこそ、「」の本当の正体が明らかになるのだ。
不安と期待の入り混じった複雑な気持ち。

そういえば、何日か前に見舞いに来たきりうの父親は、
「悪いモンには見えなかったがなあ」
…と、まことに無意味なコメントをしていったっけ。(笑)

帰宅途上、もうお昼だから食事をしていこうということになり、デニーズに入る。
ファミリーレストランに入るのが、なぜだか、とても懐かしく嬉しかった。
病院食では絶対出そうもなかったモノを食してやろうと、気合を入れてドリアをオーダ。
ひと休みして無事帰還。どうもありがとう。

自宅療養での主な過ごし方は、パソコンとCDと読書と散歩。

入院前は、まずテニスを入れるかどうかが空き時間の使い方の優先的な考え方だったから、それ以外のことに目を向けるという発想があまりなかった。
ところが、手術後は脇腹が痛くて身体を捻るのもひと苦労の状態である。テニスどころの騒ぎではない。
自然と、静かに時を過ごすことが多くなる。おかげで、いろいろと余計な(?)ことを考えることができた。
例えば、DVDレコーダとiPod nanoとデジカメを買おうと決意したのは、この期間の情報収集活動の結果である(実際に買ったのは、それぞれ11月、1月、3月)。
退院後、我が家のIT革命は急速に進展したのである。遅いってか。

翌週から、仕事に復帰
デスクワーク中心の職場なので、会社にいる時間は、何らの問題もない。
職場を約2週間も空けたので、さすがに多少の浦島太郎気分を味わったが、それは割とすぐに追いついた。
が、復帰直後の一番の問題は、満員の通勤電車であった。
こっちは病み上がりなんですよ、そんな遠慮なく脇腹を押さないで!痛いってば!
…って、相手はンなこと知らんわな。(笑)
皆さん、混んでいるからってかまわず腕や足、身体を他人に押しつけるのはやめましょうね、とココで消極的にPRしておこう。

<つづく>


腎細胞癌 | 投稿者 きりう 21:26 | コメント(0)| トラックバック(0)

生きる意味・生きた証 ⑭ ~ 入院生活 ~

頭痛、鼻水、鼻づまり。微熱。時々、咳。
完全に風邪の症状。
今日はテニスもお休みして、一日中ベッドの上。
でも、なぜか、Doblogは更新。あはは。アホや。

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入院生活

手術の翌日(2006年10月17日)は、術後の発熱あり、痛くて眠れなかった前夜の影響あり、で、1日中ウトウト、ぼーっとして過ごす。時々手術のアトが痛むと、それを座薬で緩和する。これの繰り返しだった。
相方の母親(きりうからみて義理のお母さんですな)が、相方とともにお見舞いに来てくれたが、この日はまともに話ができる状態ではなく、申し訳なかった。

夕方、週1回の部長検診。泌尿器科部長のK先生が、部下の医師や看護士を引き連れて、入院患者一人ひとりを巡回するのである。後で調べて知ったのだが、同様のことは他の病院でも行われているらしい。
大名行列」と形容されているのを読んで、「なるほど、うまい!」と思わず手を打ってしまった。(^^;)
ま、エラい先生が診てくれるんだからありがたいのだろうけど、細かいことは主治医のようには知らないだろうし、当たり障りのないコメント(「腫瘍の可能性がある部分は全部取ったから大丈夫。今は時々痛みも出るかもしれないが、すぐに良くなるだろう。がんばって。」というような内容)だったこともあり、部長その人にはあまり強い印象がない。
むしろ、移動する人数の多さ、事前アナウンスが流れるなどの物々しさの方が印象に強いのだ。まさに「大名行列」。こういうのは1回でいいや。
結果として、順調に快復・退院できたので、もう一度体験することはなかったのだが。

術後2日めくらいから、徐々に快復
見舞いに来てくれた家族、親族、看護士さんや同室の皆さん達ともまずまず会話ができるようになった。
特に、向かい側のベッドのおじさんは、気さくな良い人で、雰囲気を明るくしてくれるタイプだったから、結構楽しかった。聞くと、前年に、癌の手術、今回はその後の経過をみるために1週間の検査入院とのこと。体調も良いらしい。
早く、自分もこういう風に明るく経験談を語れるようになりたいものだ、と思ったものである。

痛みが薄らいでくると、次につらく感じたのは、身体についているチューブ類が邪魔で寝返りが打てない(打ちにくい)ということである。
酸素マスクは早い段階でとれたが、腕に点滴ライン、背中に痛み止めの麻酔、排尿用のチューブがナニの先に装着されているほか、脇腹に血抜き用と思われるチューブが入っている。これはドレーンというのだそうだ。

手術後3日め~4日めあたりでチューブの本数が徐々に減っていき、最後は点滴ラインだけになるのだが、それまでの間は、身体の向きを変えるのが本当にキビしい。
無理に寝返りを打ったせいか、背中の麻酔ラインは予定よりも1日早く抜けてしまった。
抜けた直後は、麻酔液でびしょぬれになった寝巻きとシーツが気持ち悪かったが、これで姿勢を変えるのが少し楽になったかと内心ほくそ笑んでいた。
しかし、その考えは甘かったことにすぐ気づかされる。予定より早く抜いたということは、まだ麻酔なしでは痛いということ。
すぐに、座薬を入れてもらうためのナースコールを頼むはめになった。(笑)
本当に、開腹手術というのは甘くない。


快復は進み、術後4日めの2006年10月20日(金)にCT検査
特に問題もないとの診断。おかげで、点滴の留置針を除く全てのチューブ類がとれた。
このときの開放感といったら!

そして、久しぶりにシャワーを浴びた。いやー、実に気持ちよかった。
5日間の風呂なしシャワーなしは、正直、想像以上。
シャワー直前につけていたT字帯などは、この世のものとは思えないニヲイを発していた。
ともあれ、久々にトランクスを穿く。


さて、過去に入院などしたことがないくせに「入院生活はヒマである」という妙な先入観があったが、結果として時間を持て余すということは最後まであまりなかった。
体調がある程度快復するまでは、ヒマを感じるまでもなく、「痛い」と「眠い」とそのごっちゃになったのとが繰り返し訪れる。
快復後は、食事と検査以外の大半の時間は、あらかじめ持ち込んでおいた本を読んで過ごした。
体調さえ良ければ、手術前に思ったとおり結構快適な環境であるから、何も文句はない。

ちなみに、このときに持ち込んだ本は以下のとおり。そのうち書評めいたものも書こうと思う。

 水曜の朝、午前三時 / 蓮見圭一 (新潮社文庫)
 知のイノベーター ザ・ドキュメント・カンパニーの新たな挑戦 / 高田哲夫 (日経BP)
 アフターダーク / 村上春樹 (講談社文庫)
 混沌 新・金融腐食列島 <上> / 高杉良 (講談社文庫)
 混沌 新・金融腐食列島 <下> / 高杉良 (講談社文庫)

日常で読む比率が高かった「ビジネス書」の類は1冊だけにし、あとは小説にした。
せっかくの機会だから頭の中から仕事のことをなるべく追い出そうという考えだったのだが、結果として、このときの調子で今も小説を読むことの方が多くなっている。(笑)

<つづく>

腎細胞癌 | 投稿者 きりう 16:32 | コメント(0)| トラックバック(0)

生きる意味・生きた証 ⑬ ~ 痛み ~

体調が回復せず、今日は早めに帰宅。
これだけ更新したら、クスリ飲んで早く寝よう。

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痛み

目が覚める。時間はわからない。消灯時間を過ぎていたことだけは確か。
脇腹が痛い。麻酔が切れたのだろうか。しばし、ベッド上でもがく。
もがくといっても、酸素マスクや点滴のほか、下半身にもチューブがくっついているので、実際にはほとんど身動きがとれない。

ちょうど看護士Iさんが見に来てくれた。ああ、これぞ白衣の天使

手術用の全身麻酔は脊髄から注入されるが、手術後もそのラインを使って痛みを緩和する別のタイプの麻酔が背中に入っている。
痛みが強いときは、手元に置いてあるポンプ状のスイッチを押して、麻酔の注入量を増やす。これで痛みが緩和されるという仕組み。
白衣の天使は使い方をレクチャーしながら、そのスイッチを押す。

 Iさん 「これで大丈夫。」
 きりう 「ありがとうございます。」

ところが、しばらくして痛みが緩和するのと引き換えに、予想外の事象が発生した。

おええ・・・きっ、気持ち悪い!
こみあげる…すっぱい唾液。

手術前の準備として絶食、浣腸を行った後である。胃の中には何もない。
胃にモノがないのに、嘔吐せざるを得ないキビしさ。
横隔膜が動くと、手術で切った脇腹がまた、とても痛い

ついに、初のナースコールである。初めての感慨も何もあったもんじゃない。
早く来てくれぇ~。

現れた白衣の天使。すぐに事情を察知し、手際よくお片づけ。本当にありがたい。

詳しくはよく知らないが、麻酔との相性というのがあるそうである。
きりうの場合、このタイプを多めに使うのは合わなかったようだ。
このため、これ以後退院までの間に痛みが強くなったときは、痛み止めの座薬を使用することになった。
脇腹を切っているために身体を思うように曲げられなくなっているきりうが自分で座薬を入れられるはずもない。
当然(?)、 白衣の天使に積極的な対応(!)をお願いすることになる。
今考えるとメチャメチャ恥ずかしいのだが、このときはそんなことを言っていられる状況ではなかった。

こうして痛みと嘔吐に苦しんだ手術後最初の夜は、いつしか白み始めていたのである。
開腹手術は、甘くない。

<つづく>



腎細胞癌 | 投稿者 きりう 19:06 | コメント(0)| トラックバック(0)

生きる意味・生きた証 ⑫ ~ 手術 <後編> ~

体調があまりよくないものの、だましだまし出勤。
わかっていたことだが、能率が悪い。だうーん。

このブログも始めてもうすぐ1ヶ月。アクセス数も1,000に届こうとしている。
諸先輩とは比ぶべくもないが、きりうにとっては、楽しみな記念のキリ番。

踏んだ人は、何かコメント残してってくださると嬉しいです。

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手術 <後編>

手術室に到着すると、ベッドから手術台(?) へ移動。
さすがに病室から持ってきたこのベッドにのったまま手術するわけはないわな。

麻酔科のT先生の声がする。眼鏡を外しているので表情は全然わからない。
指示に従い、横向きになる。
左腎の手術なので、左の脇腹にメスが入るのだ。

背中から麻酔の注射。
間違っても注射器を見てしまわないよう目を閉じていた。
事前の説明で「かなり太い」と言われており、怖気づいてはいけないと思ったからだ。まるでコドモだな。(笑)
もっとも、裸眼のきりうは0.1未満の視力しかないので、見ようと思ってもろくに見えなかったはずなのだが。(爆)

しかし、実はこのアトが一番コワい時間帯だったのだ。
麻酔の針が、なかなかなかなかなかなか入らなかったのである。
T先生の調子が悪いのか、きりうの身体がフツーでないのか。何度やり直したことか。
「もっとちょっと背中を丸めてください。♪」
と優しく言ってくれるのだが、身体の固いきりうはリクエストにうまく応えられず。うぐう。

ついにギブアップしたのか、T先生から男性医師に交代した模様。誰だろう?上司?
痛くはないが、スゴく硬いもので背中をぐいぐい押されている感じ。
ダイジョーブかなあ、まさか、失敗しました!とか言うなよなあ、頼むぜオイ・・・
そんなことを考えているうちに、ようやく針が入った。ホッとひと安心。

再びT先生。
 「では、おクスリ入りますね・・・」

…と、記憶があるのはここまで。
あっと思う間もなく、この後は、本当に、ぷっつり意識がなくなった。
そのまま意識が戻らなかったら、苦しまずにあの世行きなのかな。
恐るべし、全身麻酔。

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気がついたら、病室のベッド。
意識は朦朧。 口元には酸素吸入マスク。

相方や両親が話しかけてきたのは覚えているが、内容の記憶はトんでいる。

しばらくして、W先生が病室にいらっしゃる。
「これだよ」という仕草で、切除した腎細胞の瓶詰め(?) を見せてくれた。
でも、眼鏡かけてないからほとんど見えないんですけど。(笑)

他に覚えているのは、声を出すのがとてもつらかった、ということくらい。

どうやら手術は成功だったようだ、と認識。
それで安心したのか(?) その後すぐ眠ってしまった。
確か、手術時間は3時間強だったはず。超早寝(?) である。

だが、そのまま翌朝を迎えられるほど、甘くはなかった。

<つづく>

腎細胞癌 | 投稿者 きりう 21:42 | コメント(0)| トラックバック(0)

生きる意味・生きた証 ⑪ ~ 手術 <前編> ~

何だか咳が出て、ちょっと体調が悪い。
風邪かな。早めに寝なくちゃ。

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手術 <前編>

2006年10月16日(月)。手術当日である。
眠れぬ夜とは書いたが、なんだかんだ言って、実は普段より睡眠時間が長かったと思う。

予定では12時50分の手術開始。

午前中は、前日の夕方に受けた説明に従って、いろいろと準備である。

まず剃毛。手術とその後の処置などの邪魔にならないよう、アソコの毛を剃るのである。
これ、看護士さんが行う病院もあるだが、患者の羞恥心を考慮してか、ここではセルフサービス(?)である。
ただし、剃り具合が問題ないかどうか看護士さんがチェックするので、恥ずかしい思いをするのにあまり違いはない。
専用の電気バリカン(?)を渡され、実行。 見慣れぬ光景。(笑)

浣腸
恥ずかしいとか言ってられないのだが、ここの看護士さんたちはナゼ若くてカワイイひとが多いのだろう?
もうちょっと違うシチュエーションなら楽しいだろうに。(^^;;;
我慢できるだけ我慢して、出す。出し切る。看護士さんを呼んで色を見てもらう(恥)。おっけーである。

下着の交換。
T字帯という、簡易ふんどしをつける。
術後にチューブが下半身に装着されることになるので、トランクスやブリーフはしばらく穿けない。
スースーして気持ちいいような、何となく落ち着かないような。

パジャマ(洋式)から寝巻き(和式)に着替え。
下着と同様の理由により、パンツ状のものは穿けなくなる。
着替え終わると、ますます病人らしくなった。
ちなみに、パジャマは病院からのレンタル品(有料)、寝巻きは入院前に準備するよう指示があったので自前
したがって、この和式寝巻きはお持ち帰り品である。もったいないので退院後の現在も時々着ている。(笑)

エコノミークラス症候群を防止するための、特製(?) タイツを両足に装着。
術後、しばらく動けなくなるため、エコノミークラス症候群になる人がいるんだそうな。
ふくらはぎをぎゅっと締め付けることで血栓を予防するとか。
真っ白なハイソックスという外観のタイツをオッサンがつけているという画は、想像するとキモいでしょ。

点滴も受けたような気がするが、正確なところは憶えていない。
W先生が「今日はよろしくお願いします。」と挨拶に来てくれたはずだが、これまた記憶があやふや。
こうやって思い返してみると、この辺のことが記憶に残らないほどテンパっていたのか?!


そろそろ時間、となり、相方や両親が見守る中、眼鏡を外して、手術室へ。。。

ストレッチャーに移る必要もなく、病室のベッドでそのまま移動する。
世の中、本当に何でも便利になっていくんだねー、と感心した。
妙な余裕があったものだ。

<つづく>

腎細胞癌 | 投稿者 きりう 21:50 | コメント(0)| トラックバック(0)

生きる意味・生きた証 ⑩ ~ 前日 ~

キリンビールに勤める相方のお友達が、新発売のキリン・ザ・ゴールドを送ってくれた。
ウマかったっす。(^^)

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前日

2006年10月15日(日)。10時過ぎに病院に戻る。

きりうが病室に戻るのと入れ替わるように、廊下側のベッドのヒトが荷物を持って出て行った。退院だ。
なんの病気だったか知らないけれど、よかったですね。

で、まず点滴である。
左腕に小さな筒状のモノが装着され、これに点滴用のラインを接続する。
後で調べて知ったのだが、これは留置針というものだそうで、点滴終了後も残しておくことで、その後何回でもラインを接続するだけで点滴が受けられる。なるほど、便利である。

この病院は土日休診なので、当直以外の医師はお休み。
留置針をつけてくれた医師も主治医のW先生ではなく、もっと若い人だった。
まあ、W先生は翌日の手術に向けてきちんと休んでもらいたい。

…と思っていたら、お休みにもかかわらず、なんとW先生がきりうの冴えない顔を見に来てくれた。(^^)
パーカにジーンズというカジュアルな出で立ちは、いつものドクター然とした白衣姿からは想像できないほど、若い。びっくりである。

体調はいいですか大丈夫ですかそうですか明日はよろしくお願いしますねでは。

交わした言葉は短いけれど、わざわざ気遣ってくれるのがありがたい。あなたを信頼していますよ。
医者は信用商売だなあ、とつくづく思う。

午後、両親がやって来た。
何の自覚症状もない元気な状態なので、お見舞いというより病院の視察という感じだったのだろう。
だが、パジャマを着て点滴スタンドをカラカラいわせながら移動すると、何となく病人らしい雰囲気になるから不思議である。

休憩室で両親と話をしていると、相方と息子もやって来た。しばし談笑
自宅や実家以外の場所で集まってるのは、何だか変な感じ。しかも、よりによって(?) 病院だし。

彼らが帰ると、テレビか読書くらいしか選択肢がないのだが、実質的に入院初日なので、まだヒマで死にそうというようなことはない。

食事も、なかなかイケる。思っていたよりもずっとウマい。
ちょっと量が少ないが、病院にいる間はほとんど運動しないんだから実はちょうどいいくらいだろう。

結構快適じゃないか。(笑)

夕食後、ゆっくり風呂に入った。
翌日の手術以降はしばらく入浴できない。
だから、しっかり洗っておく必要があるのだが、どちらかというと浴槽につかっている時間の方が長く、「洗い」はいつもとあまり違わないレベルでしかやらなかったかな。
アトでちょっと後悔することになるのだが。

消灯は21時。日常生活では考えられない早寝である。
看護士Iさんから、「もし寝付かれないようでしたら、眠剤出しますから、遠慮なく言ってくださいね。」と。
手術の前日は不安やら何やらで眠れない人が多いのだろう。
だが、気分は極めて平静である。クスリのチカラを借りなくても眠れそうだ。

…と思ったが、甘かった。
隣のベッドのおじさんが、とてもにぎやかなイビキマンだったのである。(^^;

手術前の、眠れぬ夜だった。(笑)

<つづく>


腎細胞癌 | 投稿者 きりう 22:31 | コメント(0)| トラックバック(0)

生きる意味・生きた証 ⑨ ~ 入院 ~

今日は暖かかったですねぇ。カフンもハデに飛びやがりまして。(^^メ
息子が朝からクシャミと鼻水まみれになって。
7歳にして花粉症か?! もしそうだったら、ちと可哀相な。
遺伝だったら申し訳ない。

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入院

2006年10月13日(金)。相方とともに、病院へ。いよいよ入院である。
10時から11時の間に入院手続をするのがこの病院の通例であるが、10時半に骨シンチグラフィの予約をしているため、10時少し前には到着した。骨シンチの前に手続をしてしまおうというW先生のご指示である。

入院窓口で手続を済ませ、病棟へ。
過去、お見舞いでこの病院の病棟に入ったことはある。だが、どんなところか、ボンヤリとした記憶しかない。
だから、自分が入院するとなって、いろんなところを観察しまくる。
さぞや、挙動不審だったに違いない。(^^;

あらためて見渡すと、清潔感があり、明るい雰囲気。
相方は「ホテルみたいだね。」という感想。
褒めすぎの感がなきにしもあらずだが、まあ確かにしばらく過ごすのに悪くない環境だな、と思った。

担当看護士のIさんとご挨拶。おお、なかなかカワイイひとじゃないですか。ラッキー。(^^)v
身長・体重を計った後、諸設備の使い方や決まりごとなどをひととおり教えてもらう。

ベッドは、四人部屋の窓側。
後で思ったことだが、仕切りカーテンを半開にして、から外の景色が眺められるのがありがたかった。
廊下側のベッドは、仕切りカーテンを閉めっ放しになりがちである。
そうしておかないと、廊下を通る人からの視線をさえぎるものがないのである。部屋の扉は開放状態が通例だそうな。

6階の窓から見える、昼夜で移り変わるの加減。天気によって変わるの表情。かすかな人の往来
結構飽きないものである。
そういえば、窓からぼーっと風景を眺めて時間を過ごすなんて、もう何年もしていなかったことだ。
もっとも、見えるのはほとんど駐車場だけだったんだが。(笑)

持ち込んだ着替えその他の荷物を所定のロッカーなどに収めた頃、ちょうど骨シンチの予約順になったとの呼び出し。
地下1階の放射線科へ。

骨シンチは、腫瘍が骨に転移していないかどうかを調べる検査である。
最初に弱い放射性物質を静脈注射し、数時間後に撮影を行うもの。
食事制限もないから検査自体はラクチンである。

注射を終えて、病室に戻る。
相方は休憩室で本だかパンフレットだかを読んでいたようだ。

看護士Iさんから、入院診療詳細計画書を渡される。説明はW先生から別途あるとのこと。
さらに、「お昼はどこか食べに行ってきてはどうですか?」とのご提案。
入院患者になったと言っても、自覚症状もなく、いたって元気なこの時点のきりうにとって、わざわざ病院食を食べねばならない理由はない。付き添ってきてくれた相方と一緒に、病院内のレストランでランチをとることにする。

昼食後、麻酔科のT先生から、麻酔に関する説明。
T先生は、知的雰囲気漂う女医さん。麻酔の手順やリスクなどを、早口、じゃなかった、流麗に説明してくれた。同意書にサイン。相方はここで帰宅。

このあと、骨シンチの撮影をして、この日にやるべきことはすべて完了した。

と、ここで看護士Iさん。
「きりうさんは、今のところ元気なので病院にいる意味ないんですよね~。おうち帰ったらどうでしょう?」
と、驚愕のご提案。え、帰っていいんスか?(^^;;;

確かに、入院診療詳細計画書にも、手術日までの間に主だった予定は書かれていない。
手術前日の朝に戻ってくれば、何ら支障はないらしい。

というわけで、外泊許可書を出してもらって、帰宅することにした。
外泊理由の記入欄には、「気分転換」と書く。みんなそうするらしい。(笑)

「入院だぁ!」と気合を入れて乗り込んできたのに、あっさり帰ることになり、ちょっと拍子抜け。
まあ、好き好んで病院に長くいたいわけではないから、もちろんありがたいことではあったのだが…。

 きりう 「ただいま。」
 息子 「お帰りー。パパ、なんで帰ってきたの?」

いや、あのね・・・。(^^;


<つづく>


腎細胞癌 | 投稿者 きりう 22:10 | コメント(0)| トラックバック(0)

生きる意味・生きた証 ⑧ ~ ボーダーライン ~

週末のお楽しみ、テニスのために今日も千葉へ。
初対面の参加者の中に、きれいなフォームで力強いボールを打つ美女がいた。
途中で降雨のため、終了。もうちっとご一緒できると思ったのに、残念。(笑)

ま、明日の筋肉痛を考えれば、途中終了くらいでちょうどよかったかもしれないが。

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ボーダーライン

2006年9月28日(木)。予約は13時半。

実は、前日の懇親会で二日酔い気味
午後から病院に行くための半休をもらっているが、このところ検査やら診察やらで休み続きだし、その後に控える入院期間中は長期離脱になるので、今のうちに少しでも仕事を整理しておかねばならない。
何とか午前中の業務をこなし、時間ギリギリで病院へ移動。
駅から病院まで、早足で歩いていたら気持ちが悪くなった

とはいえ、検査結果を聞くだけだからまあいいか、と思っていたのだが。

 W先生 「えっとね、心電図の結果がボーダーラインなんですよ。手術していいかどうかの。」
 W先生 「若いから間違いなく大丈夫と思うけど、念のため再検査して欲しいんです。」

ということで、なんとそのまま負荷心電図の検査を受けることになってしまった。
負荷」というくらいなので運動が伴うわけである…という事実は、検査を受ける場になってから知ったこと。
知ってたら、「いや、今日は"おええ"、なので、明日また来ます。」と断ったかもしれない。(^^;

ばっちり、踏台昇降運動を行う。
おええ

再々検査になったりして、とも思ったが、結果として、それはなかった。(笑)

この日は1,170円。
次に来るときは、入院である。

<つづく>

腎細胞癌 | 投稿者 きりう 18:19 | コメント(0)| トラックバック(0)

生きる意味・生きた証 ⑦ ~ 説明 ~

バタバタの今週、何とか週末まで辿り着いた。
忙しいのはうれしくないが、仕事ができるのはありがたいことである。
そんなことを改めて思い直すのは、これを書いているからだろう。

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説明

W先生は、前回の診察のあと、休暇だか出張だかで2週間ほど病院には来られないとのことで、「家族への説明」は、2006年9月26日(火)正午。

CT画像とMR画像を見せながら、W先生がきりうの相方に語りかけていく。
内容は、前回までにきりうが聞いていたのとほぼ同じ、あるいは要約版といったところ。当たり前か。

ちょっと違ったのは、「納得がいかなければ、遠慮なくセカンドオピニオンをとってください。」という話があったこと。
相方は、W先生のこのセリフにいたく感心したらしい。
同日夜に、「こういう言葉はなかなか自分から言えるものではない、あの先生はきっと信用できる」と言っていた。

近年のインフォームド・コンセントを重視する流れからいえば、もしかすると、そんなに感心するほどのコメントではないのかもしれないけれども、ともかく、主治医としてどうやら信用のおける人物のようだ、という印象を相方が抱くようになったのは大きな変化。
これまでの診察経過について、きりうの要領を得ない説明が原因で、相方は、W先生に対して不信感に近いものを持っていた可能性があった。
曰く、「何度も検査して、結局わかんないってどういうこと?」
曰く、「わかんないって言ってるのになんで手術することになるの?ワケわかんない。」
だが、それが、ほぼ同じ内容の説明にもかかわらず、直接、話をしたことで一気に解決したのだ。いやはや、コミュニケーションというのは本当に難しい。

ということで、仮予約状態だった手術日を、正式に(?) 予約する。
手術日は、10月16日(月)。それに先立ち、10月13日(金)から入院。
入院期間は術後の経過次第ながら、概ね1週間くらいでしょう、とのこと。
この後会社に戻ったら休暇の申請をしなくては、などと考えつつ、手術の同意書にサイン
んんー、まだ実感がないぞ。

W先生からの説明終了後、入院の手続などのためフロアを移動。
相方と一緒に、準備すべきものなどの説明を看護師さんから聞く。
部屋の希望はありますか、なんて聞かれたが、きりうに個室なんて似合うはずもなく。大部屋で十分と伝える。

それが終わると相方は帰宅。
きりうは、血液検査、尿検査、X線検査、生理検査(心電図、肺活量等)を受診する。
これらは手術をしても問題ないかどうかの判定などに使われる。
結果を、また2日後に聞きにこなければいけない。

この日のお代は、しめて5,890円。

病院を出ようとすると ・・・ である。
暗雲垂れ込める? ああ、マイナス思考に入りかけているのかなあ。よくない傾向だ、という思いがよぎる。

折り畳み傘では少々つらい雨量のため、近くにあったファーストキッチンへ。
時刻は14時近い。遅めのランチ。
不安だか何だかよくわからないもやっとした気持ちを抱きながら。
ケータイメールを打ちまくる隣席のオネーチャンの打鍵音を”うぜぇ”と思いながら。
そのときのベーコンエッグバーガーの味を思い出せずに。

<つづく>


腎細胞癌 | 投稿者 きりう 22:21 | コメント(0)| トラックバック(0)

生きる意味・生きた証 ⑥ ~ 疑い ~

バタバタと忙しかった原因の一つが今日でひと区切り。
年度末までにもうヒトヤマ越えねばならぬが、まあ今日のところは許してよ、ということで外出先から直帰。(^^)v

一昨日の続きを書いたら、もう寝よ

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疑い

2006年9月8日(金)。
朝9時の予約に間に合うよう、病院に着いた。
年長者の方が多くて居心地が悪かった待合室にも、だいぶ慣れた感じ。

ところが、なかなか呼ばれない。
この病院の呼び出しは、個人情報保護法の影響か、はたまた経営効率化の結果か、予約番号がディスプレイに表示されるシステムをとっている。
過去数回の通院経験では、呼び出し順は概ね予約番号と同じ順序だったから、次か!と思って身構えていたのに、ひとつ後の番号の人が先に呼び出されて肩透かし。次も、その次も、だ。

故意に後回しにされている気がする・・・。

もちろん、それは気のせいかもしれないのだが、このときは
「もしかして、MR画像の準備がまだできてなかったりして。(笑)」
という他愛ない想像から始まって、
「ひょっとして何か言いにくいことがあるんじゃなかろうか、つまり、MRの結果は良くないんじゃないだろうか」
などと、だんだん頭が回転していったのである。ぐるぐるぐる。

ようやく、呼び出し。9時25分くらいだったか。おはようございます。(^^メ

 W先生 「えーと、きりうさんねぇ。・・・これ、昨日とったMRの画像です。」

画像を見せながら説明を始めるW先生。
おー写っているぜ、。確かにCTの画像よりもはっきり見える。

 W先生 「…で、悪性だと決まったわけじゃあないんですが、もうこれは…とっちゃった方がイイですね。」

 きりう 「…。は?」

 W先生 「要するに、ま、手術をね、オススメします。」 (←ちょっと言いにくそう)

 きりう 「え? アレ? おっと?」 (←急展開についていけずパニクるきりう)

MR検査の所見の抜粋は、次のとおり。
「左腎上極に径33㎜の腫瑠性病変が認められます。・・・(中略)・・・腎細胞癌を見ていると考えられます。」

悪性かどうか、つまり、かどうかは、画像では最終的な確定はできないのだそうである。
判定は、細胞を取り出し、病理検査というもので行われる。
前回の診察で言われた、「針を挿して調べる方法がオススメできない状況」では、正体を確かめる方法は、もはや手術しかないではないか。

この段階で、””は「腎細胞癌の疑い」となった。

W先生は、「今すぐ緊急にどうこうしなければならないものではないが、何ヶ月も放置しておくべきものでもない、また手術室はそれなりに混むので早めに予約をしておかないといけない」というようなことを述べ、手術の仮予約を勧めた。

手術方法は、開腹による左腎の部分切除。または、左腎の全摘出。
ちょうどこの頃、ソフトバンクの王監督が、腹腔鏡を使った胃癌の手術をして話題になっていたためか、それについても説明してくれた。曰く、この病院では、腎臓の腫瘍を取り出すのに腹腔鏡で行うことはリスクが高いと判断しているため、採用していないとのこと。
勧められるまま、仮予約を依頼する。

いよいよ、正体を現わしはじめたのか。
癌の疑い?・・・何だか実感がない。マジかよって感じ。

会計を済ませる。210円。
すごく重大な話を聞いたような気がしたのに、こんな金額でいいの?と何だか変な感想を持つ。

次の来院は、「家族への説明」である。
相方に来てもらわねばならない。

<つづく>

腎細胞癌 | 投稿者 きりう 21:59 | コメント(0)| トラックバック(0)

生きる意味・生きた証 ⑤ ~ MR検査 ~

仕事がバタバタで、昼飯にコンビニおにぎり頬張りながら資料の読み込み。
夕食をとる時間もなく、じゃがりこで空腹をごまかしつつ、休み明けに使う資料作成。
何とか完成させ、終電に飛び乗る。
最寄り駅に帰ってきて、何か食おうと思っても牛丼屋とラーメン屋と飲み屋しか開いてない。
早く帰ってDoblog更新しようと、午前1時過ぎの夜食にまたしてもコンビニおにぎり。(笑)

で、本日も脈絡なく、昨日の続き。

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MR検査

2006年9月7日(木)。
仕事がバタバタと忙しい。16時のMR検査の予約に間に合うかどうか、というタイミングで会社を飛び出す。

このところ、「」の存在が、頭から離れない。
相方は、「脂肪のカタマリだよ、きっと。」と言っている。
そうだそうに違いないそう思うことにしよう、と何度も決意するが、少し時間が経つと、何とも言えぬもやもや感が頭をもたげる。

病院に到着。1分遅刻。
すみません。
でも、待つんだな。(笑) 10分かそこらではあったけど。

MRIは、CTよりも精度が高い分、検査時間自体も長い。
着替えや耳栓などの事前準備も必要で、少しハードルが高い感じ。

結局、検査室に入室してから検査が終了するまで1時間弱かかったと思う。
注射した造影剤を早く体外に出すため、検査後は水分を多めにとるようにとのご指示を頂戴する。

この日のお代は、8,950円。

この日の画像をモトにしたW先生の診察は、明日の朝一番だ。
「画像が届いていないなんてことないよな」などと変な心配をしながら、病院を後にする。

水分とれって言われたし、駅前のエクセルシオールでコーヒーでも飲んでから帰るか。

<つづく>

腎細胞癌 | 投稿者 きりう 23:59 | コメント(0)| トラックバック(0)

生きる意味・生きた証 ④ ~ 正体不明 ~

会社PC、ようやく復旧。
OS再インストールの後、アプリインストール、ネットワーク設定などなど。
打ち合わせの合間を縫っての断続的な作業では思うようにはかどらない。
なんだかんだで、結局、普通に動くようになったのはもう夕方。

そこからメールの返信だの何だのの処理。
こんなに遅い帰宅になると誰が予想したであろうか。

そんな嘆きから、何の脈絡もなく先週の続き。

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正体不明

2006年8月28日(月)、病院の予約は朝9時である。

泌尿器科の患者さんは、年配の人が多い。
そもそも病院というところは具合の悪い人が集う場所だから、年齢層が高くなりがちなのは自然なことではある。

それにしても。
見渡す限り、人生の大先輩ばかり。どう見てもきりうが最年少である。
待合室の居心地がすこぶる悪い。

順番が来た。
診察室の扉をノックし、入室。 W先生、おはようございます。

CT検査結果の画像が、PC上のディスプレイに示される。
コイツが、「」の正体か!
いよいよお前の正体を暴いてやるぞ!!

 W先生 「実はネー、よくわかんないんですよ。」

 は?

 ・・・??

 なんですと!!

 W先生 「今回の撮影は、造影剤を使っています。血管がはっきりと写る薬ですね。それが明瞭じゃない。」
 W先生 「悪い腫瘍は血管が発達していますから、造影剤を入れればよく見えるのがフツーです。」
 W先生 「ところが、はっきり写っていないということは、悪いものであるという判定ができないということです。」

 きりう 「悪いものじゃないということですか?」

 W先生 「それがそうとも言い切れない。造影剤でもはっきり写らないタイプの腫瘍というのがあるんです。」

 きりう 「その可能性が高いんですか?」

 W先生 「わかりません。もしかすると単なる脂肪のカタマリの可能性もあります。いわゆる良性ですね。」
 W先生 「より精度の高い画像検査をしてみませんか。MRIというヤツです。これでならもう少しわかるかもしれない。」

 きりう 「はあ・・・それしか方法はないんですか?」

 W先生 「そうですね・・・針を挿して細胞を採取し、それを顕微鏡で調べるという方法でしょうか。」
 W先生 「でも、これはオススメじゃない。もし悪いものだったら、それを体内にまき散らす可能性があります。」
 W先生 「そういうわけですので、画像で確認できることはなるべく画像で調べたほうがイイ。」

きりう 「はい。。。では、ソレで。」

 W先生 「じゃ、予約を・・・(受話器をとる)・・・Wです。MR、急ぎで。そう。いつ入れられます?」

また、“急ぎ”で予約を入れようとするW先生。
この「」、実は相当な“ワル”なのではないか?
悪いもんじゃあなさそうだねえ」と言っていた、人間ドック時の先生が思い出される。そっちを信じたい。

そうこうするうち、予約完了。次回は9月7日(木)16時。
MR検査も、造影剤を使うので、その説明。同意書記入。

さあ、次こそ、「」の正体が明らかになるか。

この日のお会計は、210円。

<つづく>


腎細胞癌 | 投稿者 きりう 23:59 | コメント(0)| トラックバック(0)

生きる意味・生きた証 ③ ~ CT検査 ~

会社のPCの調子が悪く、OSの再インストールやら何やら。
本業以外に時間をとられるのはツラいよなあ。

・・・と言いながら、PCいじりを結構楽しんでたりもするが。(^^;

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CT検査

2006年8月22日(水)。

CT検査の予約は14時50分である。
仕事のキリがよかったので、少々待つことは覚悟して早めに会社を出た。
病院に到着したのは、14時半頃。

ところが、ここから待つ待つ。
予約時間から遅れること30分弱、きりうの名前が呼ばれたのは15時20分頃である。わお。

単純CTの後、造影CTを初体験。
造影剤注入の説明で「体がカァーッと熱くなりますが、正常な反応です。」と言われたが、ホントにそのとおりだった。
検査時間、10分強で終了。 9,530円ナリ。 うぉ、画像診断は高いなあ。(@_@)

これで「」の正体がわかるのだろうか。次回の診察が待ち遠しいような、怖いような。

ただ、そこで思考停止。
この翌日から、きりうは夏休みだったのである。
しばらくのことは、忘れておこう。

検査終了後の気分が開放感いっぱいだったのは言うまでもない。

<つづく>

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#週末はたぶん違うネタを書くと思います。
#このシリーズを楽しみにしている人がいるとは思えませんが、念のため。

腎細胞癌 | 投稿者 きりう 22:06 | コメント(0)| トラックバック(0)

生きる意味・生きた証 ② ~ 大病院 ~

今日(もう昨日か)は、仕事の過程でちょっとしたトラブルがあって、久々に日付変更線を越えての帰宅。
はっきり言ってもう寝たいのだが、習慣になりつつあるDoblogが途切れるのも気持ちが悪いので、短めに書こうと思う。

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大病院

2006年8月14日(月)。
人間ドックでもらった紹介状を携え、早朝から病院に。
大きな病院は、予約なしで行くと待ち時間がやたらと長い。予約があってもそれなりの待ち時間、というのが経験則としてある。予約ができない初診の場合は、朝一番に限ると考えた次第。

初診受付で待つ。書類やらなにやら書いて、また待つ。
泌尿器科へ行ってください、と案内され、そちらへ行ってまた待つ。
問診票など書きながら、待つ。そして、診察。

主治医となるW先生との記念すべき初対面である。
ドックでの検査内容と、そこで言われたこと(何かしこりのような)を伝える。紹介状に目を走らせるW先生。

「なるほど。わかりました。まずはCTで見てみましょう。早い方がいいですね。」
ということで、直近で予約可能な8月22日(火)午後の放射線科のCT検査をおさえてもらう。
早い方がいい”ってどういう意味さ?と、ひっかかりを覚えつつ。(^^;

実は、診察の後、すぐそのまま“検査しましょう”と言われても平気なように朝食を抜いてきたのだが、考えすぎだったようだ。
さすが大病院は直近の検査予約でも1週間以上先になってしまうのだね。

CT検査で造影剤を使用するので、その説明。まれにアレルギー反応が出ることがあるそうだ。
同意書にサイン。

これで、この日の診察はおしまい。3,870円。

病院を出て、あたりを散策してみる。真夏の陽射しが目に眩しく、肌に暑い。
目に付いたベローチェで遅い朝食をとった。午後からは、仕事だ。

<つづく>

〔追記〕
気持ちが悪いので、日付修正します。。。m(_ _)m

腎細胞癌 | 投稿者 きりう 23:59 | コメント(0)| トラックバック(0)

生きる意味・生きた証 ① ~発見~

今日から、このブログを始めるきっかけとなった事柄を書く。
周りから見れば、大した話ではないかもしれない。
誰も読んでくれない面白くない話かもしれない。
それでも、いい。純粋に、書きたいと思っている。いや、書き残したいが正確なところかな。

お付き合いくださる方は、適度にコメントなどいただけると嬉しいです。
では、スタート!

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発見

2006年8月9日(水)~10日(木)で、1泊2日の人間ドックを受診した。
毎年、会社で健康診断をしてもらえるが、区切りのよい年齢の者は、節目健診といって、通常の健康診断よりも詳しい検査が受けられる。いい会社である。今回は、それが人間ドックだったということで、費用はもちろん、会社の全額負担。実にいい会社である。

これまで大きな病気などしたことがないし、どんな検査も「異常なし」ばかりだったから、当然、受診前には不安など微塵もない。
むしろ、「内視鏡ってどんなん?苦しいんかな?」とか、「体力測定で変な数値出たらどうしよ?」とか、健康診断本来の目的とは少々観点のずれた疑問を持っていた記憶がある。

そんなこんなで、当日。

初日の検査はきわめて順調に進み、持ち込んだ文庫本なんかを読みながら、割と楽しく過ごした。
年齢で区切られた集団が一斉に受診しているのだから、当然、同期入社の人間に多く出くわすことになる。
入社直後に一緒に研修を受けた仲間と久しぶりに交わす会話は、ビジネス抜きの、しかも社屋ではない場所でのそれは、日頃の多忙な業務をしばし忘れさせてくれる結構ナイスなリフレッシュ・タイムである。

2日め。
この日は内視鏡検査(大腸及び胃)がある。朝から腸洗浄剤(ムーベン)を飲み、腸内をカラにして準備万端。なぜだか妙に気合が入る。
で、実際の検査は、大腸カメラの方は思っていたほど苦しくなく、胃カメラの方は思っていたより苦しかった。ゲホゲホ。

この2つが、人間ドックのメインイベントだと思っていた。胃やら腸やらは、それまでの健康診断レベルでは直接覗いてみることができなかった場所であるから、変なモノが見つかる可能性があるとすれば、ここだろうと思っていたわけだ。

しかし、きりうの場合、本丸はここではなかった。

腹部エコー検査。
妊娠中のお母さんのおなかの中、胎児の様子を見られるアレである。

きりうの腹の上、画像を見ながら順調に作業をしていた検査技師(?)さんの手が、止まった。

 技師 「以前、病気か何かされたことありますかー?」
 きりう 「んにゃ、ありまへん。」

左の脇腹を中心に入念なチェック。

 技師 「横向きになってもらっていいですかー?」
 きりう 「アイヨー。」

左の腰部分をさらに執拗にチェック。

 技師 「痛みとかないですか。」
 きりう 「ないです・・・けど。」 (なんだ、なんかヤバイのか?ドキドキ)
 技師 「んー。ちょっとお待ちくださいね。」

ビミョーな一言を残し、技師、検査室を出て行く。
検査室に一人残されるきりう。 (げーちょっとまってよぉナニゴト?!)

数分後。
技師、帰還。続いて、医師登場。げげっ。

どうやら検査をやり直すらしい。
再び、おなかの上を探触子が動き回る。さっきの技師さんよりも手際がずっとよい。

問題の箇所にきた。モニタを見ていた技師が「これです。」とか言っている。

 医師 「なるほど。。。何かありますね。」
 きりう 「はあ。」 (何かってなんだよ?)
 医師 「悪いもんじゃあなさそうです。」
 きりう 「そうですか。」 (何だよ、脅かすなよ。)
 医師 「ま、でも、ちょっと、普通には出ないはずの影なんです。腎臓あたり。」
 きりう 「はあはあ。」 (ヤな予感。)
 医師 「念のため、精密検査しましょうか。」
 きりう 「はい・・・。」 (やっぱりぃ!(ToT))
 医師 「ここではこれ以上の検査はできないので、後日、別の病院で。紹介状書きますね。」

なんだろう。エコーに映った・・・

しかし考えても何も変わらない。
「悪いもんじゃあなさそうです。」という医師の言葉を信じ、精密検査を受けるしか選択肢はない。

帰宅したその晩は、なかなか寝付かれなかったのである。

<つづく>


腎細胞癌 | 投稿者 きりう 22:27 | コメント(0)| トラックバック(0)