2011年12月12日
裏・出張レポート その16(完結編)
予告どおり、今日で米国出張シリーズも完結である。
最後を飾るのは、ちょっとだけ恐いお話。
ま、こうして無事に帰ってきているので、今さら恐がる必要はないのだが。(笑)
舞台は初日に遡る。
成田を発って到着したのはニューヨーク。
ボストンには、ここから乗り継ぎが必要だ。
JFK空港はいくつものターミナルにわかれている。
我々が到着したのはターミナル1。
乗り継ぎ機の出発はターミナル8。
こうしたターミナル間にはエアトレインという列車が運行しており、搭乗客はこれに乗車して移動するのだ。もちろん無料である。
着陸直前の機内で案内ビデオが流れていたので、わたくしもそのことは把握していた。
しかし、いざターミナル1を出てみるとエアトレインの乗り場がよくわからない。
案内表示が今ひとつ不親切で、階段を登ったり、エレベーターに乗ったりしたが、同じようなところをぐるぐる回っている感じだった。
そこで、空港職員と思われる白人女性に聞いてみた。(Joeが。)
すると、あっちのエスカレータを上がれ、という。
さっき通った場所のような気もするが、とりあえず行ってみる。
案の定、その先がまたよくわからない。
仕方がないので、傍にあった空港内見取図をチェックだ。
その時、空港職員風の黒人男性から声をかけられた。
ヘイ、ガイ。エアトレインならそのドアの外のエレベータに乗って、すぐ下におりるといいぜ。
オー、サンキューと言いながら、素直に外に出る我々。
しかし、本当にこんなエレベーターでいいのか?という感じのつくり。
半信半疑の雰囲気でいたら、今度は中国人風の男性に声を掛けられる。
エアトレインかい? 俺もこれから行くところだ。ついてきな、こっちだ。
妙にノリのいい中国人風男性、この後ずっとしゃべりっぱなしである。
日本人か。どこに行くんだ。オー、ボストンか。そいつはいい。ボストンはクラムチャウダーがうまいぞ。ぜひ食ってくれ。それから、ボストンといえばレッドソックスだ。ダイスケ マツザカはグッドピッチャーだ。うんぬんかんぬん…
連れて来られたのは立体駐車場。
Passengersという看板があったから、一応はタクシー乗り場か何かなのであろう。
でも、よく考えれば、これはおかしい。
我々以外に人は誰もいなかったし。
でも、我々は、この中国ヤローとの会話に夢中になってしまったのだった。
いや、わたくしは会話を楽しめるほどの英語を話せないので聞いていただけだった。
だから、一番冷静でいられたはずなのはわたくしだったのだ。
しかし、会話に加われなかったがゆえに、黙って流れに乗ってしまった面もある。
JoeもTedも、「これはエアトレインではないが、エアシャトルだ」というような中国ヤローの説明を聞いて微妙に変だなと思ったらしい。
だが、三人でいることが警戒心を緩めさせ、しゃべり続ける彼への遠慮もあって、そのままとどまってしまった。
後で思えば、ここが運命の分かれ目だったのだ。
車が来る。シボレーのミニバン、色は白。
乗り継ぎ先の航空会社の看板が掲げられていた。
でも、思い出してみると、あれって手作りだよな。。。
ターミナル8には、ちゃんと到着した。
予約していた飛行機にも乗り遅れることはなかった。
そういう意味では、まあ、不幸中の幸いと言えるかもしれない。
被害は総額97ドル。
チャイルドロックでドアを固定し、逃げられないようにしておいて、到着直前に送迎乗客名簿に見せかけた紙片にサインさせ、到着直後に料金を請求する(さっきの紙片は契約書に早変わり)という手口だった。
助手席に乗り込んだ中国ヤローは、しっかり金額を支払っている。
もちろん、彼らがグルでそれが演技なのは明らか。
まんまとやられた。
グローバル対応の厳しさを知る授業料だったかな。
ちなみに、一応は交渉して損害の低減には成功した我々である。
最初の要求は、一人当たり97ドルだったからね。
(やつらにしてみれば、それすら織り込み済みだったのかもしれないけど。)
というわけで、本件、今回の出張における最大の教訓として、このレポートの最後に記録しておこうと思った次第である。
いやー、楽しいことばかりじゃなかったっす。
でもね、トータルでは本当にいい経験でしたよ。
これも含めてね。
まったくもう、今度はダマされないぞ。
あーくやしい。
以上で、裏・出張レポートシリーズ、完結とします。
最後までお付き合いいただいた皆様、どうもありがとうございました。
明日からまた、いつもの駄文ブログに戻りまーす。
<完>
最後を飾るのは、ちょっとだけ恐いお話。
ま、こうして無事に帰ってきているので、今さら恐がる必要はないのだが。(笑)
舞台は初日に遡る。
成田を発って到着したのはニューヨーク。
ボストンには、ここから乗り継ぎが必要だ。
JFK空港はいくつものターミナルにわかれている。
我々が到着したのはターミナル1。
乗り継ぎ機の出発はターミナル8。
こうしたターミナル間にはエアトレインという列車が運行しており、搭乗客はこれに乗車して移動するのだ。もちろん無料である。
着陸直前の機内で案内ビデオが流れていたので、わたくしもそのことは把握していた。
しかし、いざターミナル1を出てみるとエアトレインの乗り場がよくわからない。
案内表示が今ひとつ不親切で、階段を登ったり、エレベーターに乗ったりしたが、同じようなところをぐるぐる回っている感じだった。
そこで、空港職員と思われる白人女性に聞いてみた。(Joeが。)
すると、あっちのエスカレータを上がれ、という。
さっき通った場所のような気もするが、とりあえず行ってみる。
案の定、その先がまたよくわからない。
仕方がないので、傍にあった空港内見取図をチェックだ。
その時、空港職員風の黒人男性から声をかけられた。
ヘイ、ガイ。エアトレインならそのドアの外のエレベータに乗って、すぐ下におりるといいぜ。
オー、サンキューと言いながら、素直に外に出る我々。
しかし、本当にこんなエレベーターでいいのか?という感じのつくり。
半信半疑の雰囲気でいたら、今度は中国人風の男性に声を掛けられる。
エアトレインかい? 俺もこれから行くところだ。ついてきな、こっちだ。
妙にノリのいい中国人風男性、この後ずっとしゃべりっぱなしである。
日本人か。どこに行くんだ。オー、ボストンか。そいつはいい。ボストンはクラムチャウダーがうまいぞ。ぜひ食ってくれ。それから、ボストンといえばレッドソックスだ。ダイスケ マツザカはグッドピッチャーだ。うんぬんかんぬん…
連れて来られたのは立体駐車場。
Passengersという看板があったから、一応はタクシー乗り場か何かなのであろう。
でも、よく考えれば、これはおかしい。
我々以外に人は誰もいなかったし。
でも、我々は、この中国ヤローとの会話に夢中になってしまったのだった。
いや、わたくしは会話を楽しめるほどの英語を話せないので聞いていただけだった。
だから、一番冷静でいられたはずなのはわたくしだったのだ。
しかし、会話に加われなかったがゆえに、黙って流れに乗ってしまった面もある。
JoeもTedも、「これはエアトレインではないが、エアシャトルだ」というような中国ヤローの説明を聞いて微妙に変だなと思ったらしい。
だが、三人でいることが警戒心を緩めさせ、しゃべり続ける彼への遠慮もあって、そのままとどまってしまった。
後で思えば、ここが運命の分かれ目だったのだ。
車が来る。シボレーのミニバン、色は白。
乗り継ぎ先の航空会社の看板が掲げられていた。
でも、思い出してみると、あれって手作りだよな。。。
ターミナル8には、ちゃんと到着した。
予約していた飛行機にも乗り遅れることはなかった。
そういう意味では、まあ、不幸中の幸いと言えるかもしれない。
被害は総額97ドル。
チャイルドロックでドアを固定し、逃げられないようにしておいて、到着直前に送迎乗客名簿に見せかけた紙片にサインさせ、到着直後に料金を請求する(さっきの紙片は契約書に早変わり)という手口だった。
助手席に乗り込んだ中国ヤローは、しっかり金額を支払っている。
もちろん、彼らがグルでそれが演技なのは明らか。
まんまとやられた。
グローバル対応の厳しさを知る授業料だったかな。
ちなみに、一応は交渉して損害の低減には成功した我々である。
最初の要求は、一人当たり97ドルだったからね。
(やつらにしてみれば、それすら織り込み済みだったのかもしれないけど。)
というわけで、本件、今回の出張における最大の教訓として、このレポートの最後に記録しておこうと思った次第である。
いやー、楽しいことばかりじゃなかったっす。
でもね、トータルでは本当にいい経験でしたよ。
これも含めてね。
まったくもう、今度はダマされないぞ。
あーくやしい。
以上で、裏・出張レポートシリーズ、完結とします。
最後までお付き合いいただいた皆様、どうもありがとうございました。
明日からまた、いつもの駄文ブログに戻りまーす。
<完>
はい、そのとおり。(^^;
初日の乗継での出来事、仕事しに来たのに、まだ仕事を始める前。
なのに、いきなりカネをむしりとられる。
凹みましたねーーーーー。
でも、命あってのものですから。失敗したのは事実ですが、よかったと解釈してます、ハイ。