2008年12月16日
螺鈿迷宮 / 海堂尊
「チーム・バチスタの栄光」、「ナイチンゲールの沈黙」に続く、著者の第三弾。本作品の構想は、「ナインチンゲール・・・」刊行以前からあったそうな。前二作で、名前だけ出てきていた氷姫が本作品で初登場。物語の中で重要な役割を演じる。なかなか個性的なキャラである。存在感あるなあ。本作品でスポットがあたるテーマは、終末期医療。またこれがいろいろ考えさせられるのである。うーん、深い。このへんはさすがといえよう。 そして、ミステリーとしても、なかなかのスグレモノなのである。上巻で散りばめられた謎が、下巻でするすると紐解かれていく。なるほどそういうことだったのね with スッキリ感。「ありえねー」という大胆な設定等もないではない。がしかし、娯楽性をも取り込むという意味では十分に許容範囲。正直、面白い。そして、物語世界がますます拡大していきそうな余韻を残すエンディング。これはまた続きを読まねば・・・・・・あれ? これってまんまと引っかかってるような気が。(^^;螺鈿迷宮 上 / 海堂尊 (角川文庫)http://www.kadokawa.co.jp/bunko/bk_detail.php?pcd=200805000465螺鈿迷宮 下 / 海堂尊 (角川文庫)http://www.kadokawa.co.jp/bunko/bk_detail.php?pcd=200809000318