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きりう
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【感想】国境の南、太陽の西  村上春樹

一人っ子として、ある欠落感をもっていた始に、小学校時代、同じ一人っ子の女の子の友達が出来る。
25年後、37才の時、2人は再会し、激しい恋におちる――。


かつて、村上春樹にハマったことがある。
それこそ、片っ端から読んだ。
小説だけでなくエッセイや対談など、活字になっているものなら何でもだ。
彼の紡ぎだすその独特の文体が、とにかく好きだったから。

本作品は、ちょうどそんな頃に、新刊として店頭に並んだ。
迷わずに購入したのは言うまでもない。
そして、読み耽った。大好きな春樹節に浸って、いい気分だった。

・・・が。

どうも、ストーリーに入り込めない。
これ、なんか面白いのか?って感じだったのだ。
「あれえ、おかしいなあ」と思いながらページを繰り、気がつけば読了していた。

そんな感想を抱いたのが1992年。
せっかく買った単行本は、いつの間にかブックオフに売却していた。

ところが、先日のことである。
書店でこの文庫が何となく目にとまり、そして、何となく購入してしまったのである。

なんと18年ぶりの再読。
どういう風の吹き回しだろうと自分でも思うくらいだ。

そしたらですよ。

これがもう実にグッとくるわけ。
こういうのを心の琴線に触れるというのかな。
何とも言えない感動があったのだった。
人生、どこで何が起こるかわからない。(大げさ)

初読み当時は、たぶん、この世界を理解するには若すぎたってことなんだろうね。

愛って深いな。

人間修行が足りないんですな。
(って、オチに海老蔵を持ってきたかったわけではないですよ。念のため。)


| 投稿者 きりう 23:59 | コメント(2) | トラックバック(0)