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きりう
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新聞社 / 河内孝

著者は毎日新聞の元常務。
ここに書かれた新聞社の内情には、「呆れました」というのが、きりうの率直な読後感。

特に、冒頭から語られる、配達手数料、販売経費等の異常なコスト構造には驚いた。
まともな料金を払うのがちょっと馬鹿馬鹿しくなってくる。

それと、この記述。

大手紙の社長で、正確な実売部数をご存じの方はいないのでしょうか。(本書P.57より)

把握しているのは、販売店に持ち込まれた部数だけらしい。
販売店に残った分は、押し紙というんだそうだが、これも含めた数ってわけ。

情報開示と説明責任が求められる現代で、しかも、さまざまな企業の経営数値を日々報じている報道機関が、この有様。
一体どんな業界なんだ、と二度びっくりである。

それでも著者は、業界にはまだ明日があると信じ、毎日・中日・産経の連合による業界再編案を展開している。
読売、朝日の二強への対抗軸となるべき第3勢力を形成し、業界の問題を解決しようというのだ。

業界再編という発想は、なかなか面白いと思った。
だが、これで業界のさまざまな問題が解決するというのはちょっと話がうますぎるかな、というのと、案自体が、ちょっと著者の古巣(毎日新聞)寄り過ぎるかなあという感じ。

それとねえ。。。いまやネットで大抵の情報がとれるから、やっぱり業界自体、今後はつらいよねえ。

きりう自身の事情でいえば、我が家が新聞を購読している理由って、実は、折込広告による近所のスーパーの値引き情報が目当てだったりするわけで。
(んでもって、そんな購読理由だから、当然、朝刊しかとっていないわけで。^^;)

サブタイトル「破綻したビジネスモデル」とはよくいったものだ、と妙に感心。
(↑たぶん、著者や編集者の意図した食いつき方が違うだろうけど。)

新聞社 破綻したビジネスモデル / 河内孝(新潮新書)
http://www.shinchosha.co.jp/book/610205/


| 投稿者 きりう 21:39 | コメント(0)| トラックバック(0)
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