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きりう
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日本軍のインテリジェンス / 小谷賢

本書は、日本軍の情報活動全般について紹介、分析、論考したものである。

きりうは、太平洋戦争で日本軍が敗れた一因は、情報を扱う能力がアメリカよりも大きく劣っていたことにあったという理解をしていた。
だが、本書を読み、その認識は改めることになった。
どちらかというと、情報を収集・分析する能力(インテリジェンス)は当時の世界水準からみてそれなりだったようなのである。

例えば、陸軍は当時世界最高レベルの防諜を誇ったソ連との情報戦でそれなりの成果を挙げようだし、米英に対しては最高度の暗号解読に成功していたこと等によって緒戦の戦果を挙げたのだそうだ。
ただし、海軍についての評価は低く、暗号は米英に解読され放題、艦隊戦における戦果調査もいい加減で、昭和天皇に「サラトガが沈んだのは4度目ではないか」と言わしめたエピソードなどが紹介されている。

では、日本軍は、情報の点で何がまずかったのか。
それは、まずやりたいこと(作戦)ありきで、都合の良い生情報のみを取捨選択して情勢判断を行ったことにあるということらしい。
すなわち、戦略(作戦)重視・情報軽視である。

ところが、この教訓、果たして現代の日本に生きているのだろうか。
国の機関もそうだが、民間企業などでも、この戦略重視・情報軽視の風潮は少なからずあるような??

そんなわけで、自分的には経営トップに読ませたい感じである。
ま、きりうがここで推奨したからって、経営者が本書を読む動機付けにはならないだろうけど。(^^;

日本軍のインテリジェンス なぜ情報が活かされないのか / 小谷賢 (講談社)
http://shop.kodansha.jp/bc2_bc/search_view.jsp?b=2583860

| 投稿者 きりう 20:22 | コメント(0)| トラックバック(0)
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