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きりう
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悪魔のささやき / 加賀乙彦

人はなぜ思わぬ悪事に手を染めてしまうのか?
精神科医にして心理学者・作家である著者が、拘置所の技官として未決囚らと接見した経験をベースに、歴史や古典、現代の社会情勢などから、その原因と予防のための処方箋、世の中のあり方などを提言。

悪魔のささやき”が聞こえたとしか説明のしようのない犯罪というのが、間違いなく存在するのだと著者は主張する。
これについて、きりうは、正直なところよくわからないな、と思う。そうかもしれないし、そうでないかもしれない。とんでもない犯罪をしでかした経験もなければ、専門的な心理学のトレーニングを受けたわけでもない。だから、専門家である著者の主張を検証する術がない。

ただ、その原因分析としての、日本の歴史・時代背景が犯罪に与える心理的な影響というのは、何となく共感できた。そう言われてみればそうだよなあ、と思う点。多々あり。
ただ、新書という限られたサイズの書面でわかりやすく結論にもっていくためだろうか、これだけの材料でそう断ずるのはちょっと乱暴でしょう、と思うような箇所も。

たとえば、「江戸時代」について。きりうは、二百数十年続いた平和な時代だったという意味で、割とポジティブなイメージにとらえていた。小学校のときにそのように習ったからだ。しかし、本書では、この時代に日本人は骨抜きにされた、自分の頭で考える習慣が奪われた、と言い切る。なるほどなるほど、それはわかりやすい
でも、これがオウム真理教で有名になった「マインド・コントロール」の遠因だ、と言っているようにも読めるとすれば、ちと言い過ぎのような気がするのである。
いやまてよ、これはきりうの読解力不足か?(そんな気もするね。)

こんな具合で、きりうにとっては、何だか、「おいしいんだけど、何か一味足りないよね、この料理」みたいに思えてしまう本だった、というのが正直な感想である。


悪魔のささやき / 加賀乙彦(集英社新書)
http://shinsho.shueisha.co.jp/kikan/0354-c/index.html


と・こ・ろ・で。

#始めるときは、悪事に「を染める」なのに、
#やめるときは、悪事から「抜けする」というのはなぜ?(^^; ダレカオシエテ?


| 投稿者 きりう 23:40 | コメント(0) | トラックバック(0)