2007年04月25日
彼
彼は会社の2年後輩だった。
面白くて、スケベで、飲むとなぜかよく脱いだ。 尾崎豊とサッカーが好きで、歴史が得意で。
ナショナリズムと自衛隊を語らせると止まらなかった。
彼とは同じ仕事を一緒にしていた時期がある。 彼がきりうの後任含みで同じ職場に異動してきたからだ。
だから、彼には引継ぎを兼ねていろいろと仕事を頼み、勉強してもらった。
電話の声がきりうと似ていたらしく、お互いに部外の人からよく間違われた。
彼は大変頭の良い男だったから、仕事の飲み込みも早かった。
安心して後事を託せると思った。
・・・・・・・
ところが、ある日、彼は「会社をやめる」と宣言した。
彼曰く、自分自身を見つめ直した結果です、本当にやりたいことを見つけたのです、と。
そうして全く違う業界の全く違う仕事をするために、彼は会社をやめていった。
おかげで、きりうの人事異動はしばらく凍結になり、その結果、異動先も変更になった。
変更になった先で、成果重視の人事制度設計をやることになった。
そういう意味で、きりうのキャリアの転機は、彼がもたらしたと言っても過言ではない。
・・・・・・・
彼とは、会社をやめた直後、何度か会う機会があった。
自分がやりたいことを、自分の力で選び取った男は輝いていた。
そんな彼と最後に会ったのは、確か息子がまだ相方のお腹の中にいた頃のことだった。
その後、だんだん疎遠になっていった。
ともに仕事が忙しかったから、仕方がないことだ。
風の便りで、ちょっと違うポジションに移ったという話も耳にしたが、彼ならどこでもがんばるだろうと思った。
きりうの頭の中では、彼はいつでもエネルギッシュなのだ。
・・・・・・・
その彼が、亡くなったという。
彼と同期入社で、彼の代わりにきりうの後任を担った男が、この突然の訃報をメールでよこした。
今日が通夜、明日は葬儀。
死因その他、詳しい経緯は一切わからない。
やりたいことを選んだ彼の人生は、最期のその時を迎えるまで、充実したものだったろうと思う。きっと、必ず、絶対に。
ご冥福をお祈りする。
面白くて、スケベで、飲むとなぜかよく脱いだ。 尾崎豊とサッカーが好きで、歴史が得意で。
ナショナリズムと自衛隊を語らせると止まらなかった。
彼とは同じ仕事を一緒にしていた時期がある。 彼がきりうの後任含みで同じ職場に異動してきたからだ。
だから、彼には引継ぎを兼ねていろいろと仕事を頼み、勉強してもらった。
電話の声がきりうと似ていたらしく、お互いに部外の人からよく間違われた。
彼は大変頭の良い男だったから、仕事の飲み込みも早かった。
安心して後事を託せると思った。
・・・・・・・
ところが、ある日、彼は「会社をやめる」と宣言した。
彼曰く、自分自身を見つめ直した結果です、本当にやりたいことを見つけたのです、と。
そうして全く違う業界の全く違う仕事をするために、彼は会社をやめていった。
おかげで、きりうの人事異動はしばらく凍結になり、その結果、異動先も変更になった。
変更になった先で、成果重視の人事制度設計をやることになった。
そういう意味で、きりうのキャリアの転機は、彼がもたらしたと言っても過言ではない。
・・・・・・・
彼とは、会社をやめた直後、何度か会う機会があった。
自分がやりたいことを、自分の力で選び取った男は輝いていた。
そんな彼と最後に会ったのは、確か息子がまだ相方のお腹の中にいた頃のことだった。
その後、だんだん疎遠になっていった。
ともに仕事が忙しかったから、仕方がないことだ。
風の便りで、ちょっと違うポジションに移ったという話も耳にしたが、彼ならどこでもがんばるだろうと思った。
きりうの頭の中では、彼はいつでもエネルギッシュなのだ。
・・・・・・・
その彼が、亡くなったという。
彼と同期入社で、彼の代わりにきりうの後任を担った男が、この突然の訃報をメールでよこした。
今日が通夜、明日は葬儀。
死因その他、詳しい経緯は一切わからない。
やりたいことを選んだ彼の人生は、最期のその時を迎えるまで、充実したものだったろうと思う。きっと、必ず、絶対に。
ご冥福をお祈りする。
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